旧東海道を歩く旅の途中で宿泊しました。金谷宿から日坂宿のあたりは江戸時代の趣が色濃く残り、歩くのが非常に楽しいエリアですが、宿泊施設が少ないのが難点。そんな中で出会ったこの宿は、まさに旅人のオアシスでした。
登録有形文化財でもある建物は、初代掛川市長の邸宅という由緒ある佇まい。精緻な職人技が光る建具、龍吐水や袖搦(そでがらみ)といった歴史的な品々、そして往時の暮らしを今に伝える生活空間まで、どこを切り取っても見応えがあります。
食事は、地域の食材を活かしたメニューをいただきました。代々続くこのお宅と地域との深い繋がりが感じられる、滋味深く満足度の高い内容です。また、マダムによる手作りの一品を添えていただくなど、随所に「ゲストに喜んでほしい」という細やかなお心遣いがあり、長旅の疲れが芯から解きほぐされました。
決してマニュアル通りではない、お一人おひとりの「おもてなしの心」が滲み出るような温かな雰囲気は、この宿の何よりの魅力です。
こうした歴史ある建物を維持し、受け継いでいくのは大変なご苦労があるかと存じますが、いつまでも残ってほしい、そして多くの方にこの素晴らしさに触れてほしいと切に願います。旧東海道を歩かれる方には、自信を持っておすすめしたい至高の宿です。








