瀬戸内海に面した山口県防府市・富海(とのみ)。
深い藍のように澄んだ海と、静けさに包まれたこの町には、旅人をやさしく迎え入れる「青」と「時間」があります。
今回ご紹介するのは、富海に佇む藍染工房・旅籠・カフェ・ギャラリーが一体となった施設 「藍間(AI-MA)」 と、築約100年の古民家を再生した宿 「野田西村邸」。
藍の香りと木のぬくもり、瀬戸内の風に癒される“青の旅”をご案内します。
<目次>
- 1.山口県防府市・富海:青と歴史が息づく港町
- 2.藍染めの工房での体験:手で染める“ジャパンブルー”
- 3.野田西村(藍間旅籠):歴史を受け継ぐ宿で暮らすように泊まる
- 4.カフェとギャラリー:旅の途中に立ち寄りたい“青の空間”
- 5.おすすめモデルプラン:富海を“青”で巡る旅
- 6.まとめ:青に包まれ、時間がほどける場所
1.山口県防府市・富海:青と歴史が息づく港町

富海は、瀬戸内海に面した穏やかな港町。
古くから旧山陽道の宿場や漁港として栄え、海とともに生きてきた地域です。
深い青に輝く富海の海は、「ジャパンブルー」の源とされるほど。
海水の独特な青さは、藍染めを想起させ、日本古来の伝統技法「灰汁(あく)発酵建て」を生み出すきっかけにもなったといわれています。
また、幕末には多くの志士たちが富海から船で大阪へ向かい、歴史を動かした物語も残っています。
海と歴史と暮らしが調和した富海は、ゆったりと時が流れる“静寂の町”。
旅人にとって、心がふっと緩むような場所です。
2.藍染めの工房での体験:手で染める“ジャパンブルー”
藍間の象徴ともいえるのが、この 藍染めワークショップ。
ここでは、日本古来の天然染料を使った「灰汁発酵建て」の藍染めを体験できます。
天然灰汁発酵建てで染める、本物の藍

化学薬品を一切使わず、「すくも=発酵した藍の葉」に灰を溶いた灰汁を加え、発酵させた染料をつくる伝統製法。
色あせにくく、肌にも優しい深みのある藍色が特徴です。
素材にもこだわる、丁寧な手仕事

Tシャツ、コットンストール、のれんなど、すべて天然素材で用意。
染めるほどに風合いが増し、唯一無二の作品に仕上がります。
一回一組限定の特別体験

甕(かめ)に手を沈めて布を広げた瞬間、空気に触れて藍が鮮やかな青へと変化する——。
富海の海の色とも重なる、美しい“青の変化”に心が震えます。
旅の記憶が色として残る、贅沢な時間です。
3.野田西村(藍間旅籠):歴史を受け継ぐ宿で暮らすように泊まる
築約100年の古民家「野田西村邸」

富海・野田地区で長く大切にされてきた古民家を、建築家・松村憲治氏が外観を残したまま丁寧にリノベーション。
歴史の重なりを感じながらも、快適で清潔な空間が広がる「旅籠」として生まれ変わりました。
木の香り、藍の香り、瀬戸内の風——。
この宿にしかない、静かでやわらかな時間が流れています。
<藍染め工房が併設された唯一無二の宿>
母屋と工房、そして海風が心地よく、創作と滞在が一体となった世界観を味わえます。
グランハウス「富-fu-」「海-kai-」

石垣の上に建つ2棟の離れは、まるでグランピングのような開放感。
1〜3名の少人数に最適で、プライベートな滞在を叶えます。
- 瀬戸内海を望むロケーション
- ワーケーションにもぴったりの静けさ
- 自然と建築が調和する美しいデザイン
夜になると満天の星が広がり、静寂に包まれた時間が訪れます。
心と体を整える、特別な朝食

朝食は、防府の名店「割烹いちはな」の青木料理長が監修。
無農薬の自家菜園や地元の旬野菜を使い、だしを効かせたやさしい和食が並びます。
野菜の甘みや香りが引き立つ一汁十菜の朝食は、旅人にそっと寄り添う味。
藍染め体験の余韻とともに、静かな古民家でいただく朝食は、この宿ならではの贅沢です。
4. カフェとギャラリー:旅の途中に立ち寄りたい“青の空間”
AIMAカフェ(11:00–16:00/火曜定休)


自家菜園の野菜を使った一汁十菜のランチは、地元でも評判。
また、季節の果実を使ったパフェや、東ティモール産コーヒーを味わうカフェタイムも人気です。
旅の途中にふらりと立ち寄っても、宿泊後にもう一度訪れても、心がほぐれる場所です。
藍間ギャラリー

全国ポップアップで人気の藍染作品を購入できるギャラリー。
一点ずつ風合いが異なり、“唯一無二の青”に出会えます。
旅の思い出として、自分だけの藍を持ち帰るのもおすすめです。
5. おすすめモデルプラン:富海を“青”で巡る旅
▼ Day1

15:00 チェックイン
古民家で荷ほどき。グランハウスならテラスで瀬戸内海の風を感じながら一息。
16:00 藍染めワークショップ
自分だけの藍を染める特別な時間。完成品は持ち帰り可能。
18:30 海辺の散策・夕暮れの富海へ
青から橙へと溶ける空は、富海ならではの絶景。
19:00 宿でゆったり晩酌・読書時間
静寂に包まれて夜が更けていく。
▼ Day2

8:00 朝食(無農薬野菜×和食)
だしの効いたやさしい朝ごはんで、旅の体を整える。
10:00 チェックアウト後、カフェでひと息
パフェやコーヒーで心を満たす時間。
11:00 ギャラリーでショッピング
一点ものの藍染作品を選ぶ楽しみを。
6. まとめ:青に包まれ、時間がほどける場所
富海の青い海、伝統藍染め、歴史の香り、そして静けさ。
そのすべてがひとつにつながった場所が AI-MA(藍間)・野田西村邸 です。
ここは「泊まるための場所」ではなく、
自分と向き合い、手を動かし、青に染まる旅を体験するための場所。
心を整える旅がしたい人、自然の中で創作したい人、
瀬戸内の静寂に包まれたい人へ。
富海の“藍”が、きっとあなたの旅に深い余白を与えてくれるはずです。
📍アクセス
〒747-1111 山口県防府市富海988
▽電車でのアクセス
● 最寄駅 JR山陽本線富海駅 徒歩18分
※事前にご連絡いただければ送迎いたします。
● 富海駅までは徳山駅から山陽本線に乗り換え 20分
● 新山口駅から山陽本線に乗り換えて 25分
● 山口宇部空港から新山口駅まで空港バス 30分
▽車でのアクセス
● 山陽道 徳山西インターより 20分
● 山陽道 防府西インターより 20分


