江戸時代に建てられた茅葺き屋根の古民家、武家屋敷、国指定重要文化財の民家——そこに泊まるということは、単なる宿泊ではなく「歴史の中に身を置く体験」です。
この記事では、築200年以上の歴史ある古民家・文化財で宿泊できる施設を5軒厳選しました。築350年以上という超古民家から、江戸末期〜明治初期の農林漁業体験民宿まで、全国の「時を超えた宿」をご紹介します。現代建築では決して味わえない空気感と、その土地に刻まれた歴史の重さを、一晩かけてじっくり体感してみてください。
目次
築200年以上の宿に泊まる意味
日本全国に残る古民家の多くは、今や空き家問題・過疎化の課題と向き合いながら存在しています。こうした歴史的建造物を「宿泊施設」として活用することは、建物の保存・継承だけでなく、地域の文化や暮らしを旅人に届ける重要な役割を担っています。
泊まることで地域経済を支え、建物の維持管理に貢献できる——それが「農泊・古民家泊」の持つ社会的な意義でもあります。旅をしながら日本の文化遺産を守る、そんな旅のスタイルを築200年以上の宿が教えてくれます。
築200年以上のおすすめ古民家宿5選
1.【秋田県羽後町】鈴木宿 鈴木家住宅と染付蔵
日本初・国指定重要文化財の民家に泊まる。築350年超、源義経の重臣を祖先に持つ名家

秋田県雄勝郡羽後町にある「鈴木宿 鈴木家住宅と染付蔵」は、日本で初めて国指定重要文化財の民家を民泊施設として開放した、唯一無二の宿です。築350年以上というその歴史は、言葉を失うほど。現在も家族6人が暮らす現役の住宅であることも驚きです。
源義経の重臣・鈴木三郎重家を祖先に持つと伝えられ、その名が「東北鈴木姓発祥の地」として残っています。フロントには大きな囲炉裏があり、宿主が炭火を管理しながら焼き魚やBBQを楽しめます。宿の最奥には大正4年建築の土蔵もあり、古伊万里染付や古い蕎麦猪口を展示。館内の至るところで、日本の歴史の重みを感じられます。
体験できること:
- 日本初・国指定重要文化財の民家への宿泊
- 囲炉裏を囲んでの焼き魚・炭火BBQ(持ち込み可)
- 古伊万里染付・蕎麦猪口コレクション(1,000点超)の鑑賞
こんな方におすすめ: 日本の文化遺産・歴史的建造物に深い関心がある方/本物の「昔の日本の住まい」を体感したい方


2.【宮城県村田町】村田町武家屋敷
「みちのく宮城の小京都」の蔵の町に残る武家屋敷。茅葺き屋根の指定文化財に一泊

仙台から車で約30分、「みちのく宮城の小京都」と称される村田町。江戸時代から山形と仙台を結ぶ街道の商都として栄えたこの町に、茅葺き屋根の武家屋敷が今も残っています。「村田町武家屋敷」は、その町指定文化財の建物を一棟まるごと貸し切れる宿泊施設です。
「蔵の町並み」として知られる村田町のメインストリートからほど近く、歴史的な町並みの中に滞在できる贅沢な体験。木造平屋建て・寄棟造り茅葺きの主屋は、現代建築の快適さとは無縁ですが、だからこそ「本物の武家の暮らし」に思いを馳せる特別な夜になります。Wi-Fi完備でワーケーション利用にも対応。最大9名まで。
体験できること:
- 町指定文化財の武家屋敷を一棟まるごと貸し切り
- 「みちのく宮城の小京都」村田町の蔵の町並み散策
- テレワーク・ワーケーション(Wi-Fi完備)
こんな方におすすめ: 東北の歴史・文化を深く旅したい方/仙台から少し足を伸ばした旅を探している方


3.【福井県越前市】AOIIE あおいいえ
19世紀(江戸末期〜明治初期)の民家に滞在。グリーンツーリズムの拠点として蘇った古民家

「一歩なかに入るとかなり薄暗いのですが、目が慣れてくると土間や年季の入った木造の玄関や壁、引き戸が見えてきます。まるで昔話の世界にタイムスリップしたような感じです」——これは「AOIIE あおいいえ」の物件説明文の一節です。
19世紀(江戸末期から明治初期)に建てられ、福井県の「ふくいの伝統的民家」に指定されているこの建物。越前市坂口地区の環境保全と地域活性化に取り組む地元団体が、グリーンツーリズムの拠点として活用しています。農林漁業体験民宿として登録されており、地域の自然・文化・食と触れ合う旅の拠点に最適。8名まで対応の一棟貸しです。
体験できること:
- 江戸末期〜明治初期の民家(福井県指定伝統的民家)への宿泊
- 越前市坂口地区のグリーンツーリズム体験
- 農業・自然体験の拠点として活用
こんな方におすすめ: 北陸の農村文化・グリーンツーリズムに関心がある方/地域の自然と食を深く体験したい方


4.【富山県南砺市】五箇山合掌の里
世界遺産の集落から徒歩5分。江戸末期に建てられた合掌造りの家屋を一棟まるごと貸し切り

岐阜の白川郷とともに世界遺産に登録された富山・五箇山の菅沼集落。その急勾配の茅葺き屋根が連なる懐かしい風景から徒歩5分の場所に、「五箇山合掌の里」はあります。江戸時代末期に建てられた合掌造りの家屋を移築・保存し、滞在型宿として蘇らせました。
木の温もりと合掌造り独特の空間に包まれながら、現代的なキッチン・バスルームで快適に過ごせます。囲炉裏で炭火焼きの岩魚(オプション)を味わい、五箇山の静かな夜の時間に浸る体験は、ほかでは得られないものです。最大15名まで対応可能で、大人数のグループ旅行にも最適。
体験できること:
- 世界遺産・菅沼合掌集落に隣接した合掌造りへの宿泊
- 炭火焼き岩魚(オプション)を楽しむ囲炉裏体験
- 大人数(最大15名)での一棟貸し切り
こんな方におすすめ: 世界遺産の地で歴史的建物に泊まる体験をしたい方/五箇山・白川郷周辺を旅するグループ


5.【岩手県遠野市】古屋弥右衛門
「築約200年の古民家」南部曲り家に泊まる。民話の里・遠野で体験する丁寧な暮らし
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「遠野物語」で知られる岩手県遠野市。日本の原風景が色濃く残るこの地に、「古屋弥右衛門」はあります。母屋と馬屋がL字に続く「南部曲り家」と呼ばれる形式の、築約200年の古民家です。かつて馬を家族同然に大切にしていた東北の暮らしの歴史を、建物そのものが伝えています。
仙台から遠野に移住したホストが、生活に必要なものは修繕・手作りし、「丁寧に暮らす」ことを大切にしながら営む宿。野菜作りや料理、訪れるゲストとの交流を楽しみ、「ていねいな日常」を共有してくれます。最大7名まで。なお、11月〜4月中旬は冬期休業。
体験できること:
- 築約200年・南部曲り家(L字型古民家)への宿泊
- 民話の里・遠野の原風景の中での農的暮らし体験
- ホストとの交流・手作りの暮らしぶりを感じる滞在
こんな方におすすめ: 日本の民俗・農村文化を深く旅したい方/岩手の古民家で「丁寧に暮らす」時間を体験したい方
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まとめ|築200年以上の宿で、時を超えた旅を
国指定重要文化財の民家から、武家屋敷、江戸末期の農民の家、世界遺産に隣接する合掌造り、そして築200年の南部曲り家まで——5軒それぞれに、その建物が生きてきた時代の重さと物語があります。
「宿泊」ではなく「歴史の中に溶け込む体験」。次の旅の計画に、ぜひ築古の古民家を組み込んでみてください。現代では決して作れない時間が、そこに待っています。
STAY JAPANでは、全国の古民家・農泊・歴史的建造物での宿泊を多数掲載しています。
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